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アディポネクチンを増やす

グッドダイエットってどんなもの?

「グッド・ダイエット」を支えるのは、
その名のとおり「グッド」な食と生活習慣。
単に痩せるだけではなく、健康な毎日を取り戻すために、
さっそく今日から始めましょう!

1. 日本人のために検証された、完璧なダイエット方法

 「グッド・ダイエット」のベースとなっているのは、アメリカ・ハーバード大学で、1970年代から30年以上にわたり、30万人ものデータを収集して確立された「ハーバード式ダイエット」。医療関係者の間では既に浸透しつつあるこの手法について、いかに日本人に合う形で取り入れるかを検証し、新たに編み出されたものが「グッド・ダイエット」です。
 長期にわたる調査データにより、こうしたダイエットを実践すれば、糖尿病は90%、心筋梗塞は80%、大腸がんも70%予防できることが証明されました。また、エビデンス(根拠)にしっかりと基づいているため、決してぶれることなく結果が出せる、皆さんの日常生活でも十分に取り組んでいただけるダイエット方法です。

ウォルター・C・ウィレット博士による食品ピラミッド

「ハーバード式ダイエット」の概念図とも言える食品ピラミッド。
頂点に近づくほど摂取量は少なくていいことがわかります。

2. チェックシートを使って定期的な生活の見直しを

 適度な運動を取り入れるなどの健康的な生活習慣と、“質”にこだわった食生活の見直し︱︱これが、「グッド・ダイエット」の2本柱と言えるでしょう。しかし、頭ではわかっていても、実行に移すのは難しいものですよね。
 そこで登場するのが7ページのチェックシート。私共のウェイトマネジメント外来では、診察のたびに患者さんがこれに回答することで、各自の“弱点”を見極め、減量指導に役立てています。日常生活においても、各設問においてなるべく点数の高い項目を増やすことが、「グッド・ダイエット」の実践方法となります。
 注目していただきたいのは、食事の“量”に関する制約は、とくに設けていないこと。摂取する総カロリーを減らすことももちろん必要ですが、そこに主因を置くと効果が上がりにくいというデータもあります。それよりも食品の“質”に注目し、良質な食品を摂取して、よりよい生活習慣との二人三脚で自然に体重を減らしていくのです。

アディポネクチン値や生活習慣を入力すると、一人ひとりにあった食生活や運動のアドバイスがもらえるアプリケーション。(e-食健康研究所/開発中)

3. 炭水化物や脂質…三大栄養素の“質”が大切

 食生活を改善するにあたっては、三大栄養素のうちの炭水化物と脂肪について、もっとよく知ることも重要です。
 たとえばお米やパンといった炭水化物は、人間の主なエネルギー源となります。これらは、なるべくGI値の低い玄米や全粒粉などを選びましょう。
 脂肪に含まれる脂肪酸にも注目してください(図1)。油脂の構成成分である脂肪酸のひとつ、加工食品などに含まれるトランス脂肪酸は、動脈硬化を促進し、心筋梗塞の発症などに関与してしまいます。こうした油脂をなるべく遠ざけ、オリーブ油や魚類、ナッツ類に多く含まれる、不飽和脂肪酸を積極的に摂るようにすることも、「グッド・ダイエット」のポイントのひとつです。

図1 食事中の脂肪酸の種類

4. 病気を未然に防ぐアディポネクチンとは?

 ここまでで説明してきた「グッド・ダイエット」と、切っても切れない重要なホルモンがアディポネクチンです。これは、内臓脂肪を含む全身の脂肪から分泌されるホルモンで、身体によい効果をもたらす善玉因子。たとえば肝臓や筋肉に働いて糖尿病を予防したり、破れた血管に入り込んで動脈硬化を防いだりと、さまざまな病気を未然に防いでくれる働きがあるのです。
 これまでの研究で、健康なライフスタイルを保っている人ほど血中アディポネクチン値が高いことがわかっていることから、別名「品行方正ホルモン」とも呼ばれています。つまり、正しい食生活と適度な運動に支えられた「グッド・ダイエット」こそが、アディポネクチンを増やす最適の方法なのです。

5. 食生活を通してアディポネクチンを増やす

 もう少し詳しくアディポネクチンの働きを見てみましょう。
アディポネクチンは、血糖値や血圧を抑え、脂肪を燃焼させ、エネルギー代謝を上げます。しかし、内臓脂肪が増えてその量が減ると、糖尿病、高血圧、動脈硬化、肥満といった生活習慣病につながってしまいます(図2)。
 アディポネクチンを増やす近道は、質のよい脂肪、たんぱく質、炭水化物を選んで摂ること、そして運動によって体重と内臓脂肪を減らすこと。たとえば、玄米などの未精製炭水化物や穀物繊維を好んで摂っている人は、摂らない人に比べ20%近く血中アディポネクチン値が上昇するというデータもあります(図3)。先に触れた不飽和脂肪酸によっても増えることがわかっており、これらを徹底すれば、常にアディポネクチンが増えた状態を保つことが可能に。この点からも改めて「グッド・ダイエット」とアディポネクチンの密接な関係がわかります。

図2 アディポネクチンの働き

図3 穀物繊維の摂取量を肥満度別に見た血中アディポネクチン値

米・ハーバード大学の研究グループが、糖尿病の女性900人を肥満度別にグループ分類。穀物繊維の量を基に、血中アディポネクチン量を調べたところ、太っておらず穀物摂取の多い人ほど、血中アディポネクチンの量も多いことがわかった。

6. 人間ドックの血液検査で測定が可能な場合も

 現在、血中アディポネクチン値の検査には保険が適用されておらず、一般的な病院では測定することができません。
しかし、人間ドックや健康診断で血液検査を受ける際、よくチェックしてみると追加項目で検査できる場合があります。
将来的には注射などで身体を傷つけることなく、より簡便に測定できるようになるとも言われています。
 血中アディポネクチン値は、男性なら4㎍/㎖、女性なら10㎍/㎖が基準となります。機会があれば、内臓脂肪とセットで定期的に検査し、数値の変動を観察してみてください。その結果が「グッド・ダイエット」に取り組む際のモチベーションにもなるはずです。  

生活習慣セルフチェックシート
(PDFダウンロードはこちらから)